『……さようなら、』
また、今日も貴方の夢を見た。
貴方から離れたのは、他でもない私。
貴方の言葉を信じきれずに、いつか来る別れが怖くて私は逃げ出したんだ。
離れた時から分かってた。
いつか貴方が、私を忘れてしまうことも。
私じゃない誰かと恋をすることも。
私はただ。
貴方が幸せでいればよかったはずなのに。
――ううん、違う。
(…本当はきっと)
貴方はきっと、ずっと私を見ていてくれてるって。
そう思ってたから。
貴方の隣りで幸せそうに笑う彼女(ひと)は、私しかいないって。
貴方はずっと私しか想わないって。
ずっとずっと。私を想っていてくれるって。
そう、都合のいいように思ってたから。
自分のこの醜くて、黒い感情に気付かないふりをしてたんだ。
(…あぁ、私は本当に)
高校の時から成長してないな、なんて小さく笑って空を仰いだ。
――それでも。
貴方の幸せだけを祈ってる人で在りたかったの。
貴方が、私に望んでいるような。
真っ白で純粋な心を持っているような。
聖人君子のような私でいたかった。

(どうか、嘘を見抜かないで)
珍しくヒトミちゃん失恋話。
ヒトミちゃんは失恋しても、嫉妬とかそういう気持ちを表に出さないイメージがあります。
でも、ただ表に出さないだけで心の中では相手の事が好き過ぎてドロドロしてると思う。
ここまで読んで下さってありがとうございました。
2009.08.08
