1月1日。元旦の早朝。
 目を開けると、寝室とは違う景色が目に入った。


(…あれ?)
 不思議に思って隣りを向くと、気持ち良さそうに眠る恋人の姿が見えた。
(…あぁ…あのままこたつで寝ちゃったんだ…)
 大晦日の代名詞でもある某歌番組を彼と観ていた事を思い出す。
 いつもなら私が寝ても彼が起こしてくれるけれど、いつの間にか2人とも寝てしまったらしい。
(蓮さんまで寝ちゃうなんて珍しいな…)
 課題とかで疲れてるのかも…。
 そう思いながらなんとなしに恋人の頭を撫でると、急に心の奥から込み上げる想いに胸がきゅっと締め付けられた気がした。

――…あぁ、なんて。
「…幸せだなぁ…」

「……ヒトミ?」
 ふいに降って来た声に慌てて顔を上げてみれば、彼がうっすらと目を開けていた。
「あっ、ごめんなさい…起こしちゃいました?」
「…いや。…どうした?」
「へ?」
 驚いたように目を見開く蓮さんの言葉に首を傾げると、彼の指が頬を滑って、初めて自分が泣いていることに気付いた。
「あ、えっと、これは…」
 まさか、”幸せ過ぎて泣いちゃいました”なんて、口が裂けても言えない。
(ど、どうしよう…!お腹が痛くなったとか…って、それはなんか嫌だし…)
「……」
 どう言い訳をしようか考えていると、不意に蓮さんの顔が近付いて来る。

「れっ蓮さん!?」
「…奇遇だな」
「え?」
 蓮はいつもよりゆっくりとした動作で、ヒトミの額に優しくキスを落とした。
「…俺もいつも泣きそうになるよ」
――…幸せ過ぎて。

 小声でそう呟いた彼は、彼女の両頬を優しく包んだ。
「…ふふ、一緒ですね?」
「まぁな」
 いつものようにくつりと笑う蓮に、ヒトミも嬉しそうに笑った。
「…蓮さん、明けましておめでとうございます。…まだちょっと、朝には早いけど」
 ヒトミの言葉に時計を見ると、針はまだ深夜と呼ばれる時間帯を示していた。
「あぁ、おめでとう」
 そう言うと、慣れた手つきでヒトミの腰を引き寄せた。
「…っ!」
 ヒトミの頬が瞬時に真っ赤に染まり、蓮は呆れたようにやれやれと笑う。
「一体いつになったら慣れるんだ?お前」
「い、いつって…。というか、これでも慣れた方だと思うんですけど…」
 昔は目の前に蓮さんの顔があったら、鼻血を出す寸前だったし…。
 もごもごと口ごもるヒトミに溜息をつく(何かぶつぶつ言ってるが大したことじゃないだろう)
「まったく…。お前からキスしてもらえるのはいつになるんだか」
「へ!?何ですか、それ!!」
 いつからそんな話に!?と驚く彼女を余所に、あぁ、そうだ、と手を叩いた。
「せっかくだから、今年はお前からのキスを期待しておくか」
「はいぃぃ!?」
 素っ頓狂な声を上げる愛しい彼女を無視して続ける。


「”一年の計は元旦にあり”と言うしな」
 蓮はくくっと面白そうに笑いながら、彼女に本日何度目かのキスを落とした。






  そんな訳で、明けましておめでとうSSです。例の如く遅刻してすいません(土下座)
  そして相変わらず迷走中です。のせさんもSSも分からない…!(いつものことですね)

  たまにはのせさんもヒトミちゃんもゴロゴロ過ごしたっていいじゃないかと…(笑)
  のせさんは最初は優しいですが、やっぱり困ったヒトミちゃんも好きなので最終的にはちゅーして困らせてそうww
  そんなのせさんも大好きです!(`・ω・)

  ここまで読んで下さってありがとうございました。
  2012.1.09