「……何だ」
「へ?」
「さっきから見てるだろう。何か用事か?」
 向かいに座っている一ノ瀬さんが怪訝そうな顔で私に問う。

「いえ…。…その本、洋書ですよね?面白いですか?」
 一ノ瀬さんが持っている本を指差す。分厚い本はゆうに5cmはあるだろう。
「あぁ。為にはなる」
 一ノ瀬さんはそう言うと、また本へと視線を戻した。

 借りた参考書越しに一ノ瀬さんを見る。
(…難しそうな本)
 タイトルらしきものは日本語ではない。英語…それともフランス語だろうか。
(…でも、一ノ瀬さんっぽいなぁ)
 くすっと笑う。

「……」
 視線に気付いたらしく、一ノ瀬さんがもう一度怪訝そうに見る。
「あ、何でもないですよ?」
「大体…何で前に座ってるんだ?」
「なんとなくです」
 ますます怪訝そうに首を傾げる一ノ瀬さんに笑う。

 貴方の姿がよく見たいから、目の前に座ってるなんて。
(…そんなこと)


 絶対、言えないもんね。






  この2人は図書館デートとか結構やってそうですよね。一ノ瀬さんの独断と偏見で(笑)
  でも、目の前でヒトミちゃんがじっと見てたら可愛過ぎて困ると思う。絶対本の内容とか頭に入らないよ!

  2008.11.03 修正